午前中に納税をすませる。市場へ行くも、なにも心動かされるものなし。
家の窓を開けて空気を入れかえる。淀んでいたものが、外へ流れ出て、日の光にあたって溶けてなくなる。あれは、誰の憂鬱でありましょうか。この春の陽気に、あっさりと、消えちゃったな。はは。家の中は新しい服の型紙で足の踏み場もない。わたしはそれを跨いで、本を抱えて二階へあがって、仕事するような気持ちよく居眠りするような。小さな窓の向こうから道行く人の話し声がよく聞こえます。「へぇー、古本屋やあ」「ほんまや古本屋やあ」
……。
春の日差しのおかげで、ようやくここに古本屋がある事に気づいてもらえたようです。
春の御蔵書の整理など〜
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