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村の貧しさが、村の中から脱落者を出し、それらが乞食になり、あるいは僅かの芸能を持って歩いたり、信仰を頼りに漂白して歩き、村民もまたそういう人たちを受け入れることによって村の生活を安定させてきたさまを見たのであるが、そうした零細民・遊行漂泊者たちが、蔑視されながらもなおその職にしがみつかねばならなかったのは、そのようにして生きるよりほかに方法がなかったからである。また身を落とし人にさげすまれることを覚悟すれば生きられもしたのである。
宮本常一 「生きていく民俗」より
生きるということを考えるとき、いつも思い出す言葉です。
一見、時代時代に人の暮らしは変わっていっているように見えても、本質的なことは少しも変わらないと思うわけです。
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