象々の素敵な日記 古本屋の日記

象々の素敵な日記

市場で美人を逃しウイスキーを手に入れる。

川崎太師に厄を払いに行くのかその帰りなのか?美人が二人舟で川を渡っている三枚続きにちびって入札。もちろん、その女の人は他所へ嫁いで行ったわけです。幾らかは出品もしているのでもっと思い切った金額を書けばいいのですが、心の奥底にある、せめて今日の飲み代くらいは残したいなあという情けない思いがわたしの腕を自動筆記状態にして、後から考えればそんなんで落札できるわけないような金額しか書かせないのです。がっかり、は、逃したブツに対して、というより、ちびってばかり、生活に負ける自分に対してのがっかりのようです。

……。

小銭を握って帰り際、奈良の兄貴分より大好きなウイをいただく。ありがとうございます。これで、今日の飲み代が浮いたな。そうか、この分を入れてたら勝っててんなあと、変な感慨をいだいて、ウイのボトルを、眺める。これはさすがにお湯割りはもったいないなあと考えながら歩いていると「あんまり家で飲みなや」とすれ違いざまにフルカワに云われて、ちょっと、照れる。

古本屋の日記 2012年4月13日