言葉ニハ無言ヲ
無言ニハ言葉ヲ
〜菅谷規矩雄詩集1960−1969の巻頭に書かれた識語〜
売れる売れないよりもただ自分が欲しくて入札するということは、古本屋には、まま、よくある事なのです。あまり、誰も、札を入れていなかったので、少し寂しい気持ちがしましたが、無事手に入れる事が出来て安心いたしました。「死をめぐるトリロジー」と云う本の中でだったか、何かの文章の途中で、いきなり、なんの脈絡も無く、動物園のゴリラに向かって詩を書き始めるという大胆な書きっぷりに感動して以来、ずっと心の片隅に残っていた詩人の、識語入の詩集です。晩年は焼酎しか喉を通らず、肝臓かなにかが破裂して死んでしまったような気がするのですが、それは、わたしの、少々ロマンチックな勘違いかもしれません。