象々の素敵な日記 古本屋の日記

象々の素敵な日記

古本屋の終わりについて。

先輩を送る。そのあと`も兄と、献杯。

いつも、先輩が逝くのを見送りながら、古本屋の終わり方について考える。

在庫蔵書をきれいに処分してから去るべきなのか、生き様そのものみたいな本の山を、残すべきなのか。

跡取りがいる場合は別ですが、一代限りとなると、やはり、考えなくてはいけません。

きれいに処分してなくなる人、膨大な量の蔵書を、後輩の、売り立てにまかせる人、あと、処分しようと考えていても、間に合わなかった人。象々も、生きているうちの整理を頼まれて、頼まれたまま会えなくなった人もいましたからーー自分の、少ない在庫を見回しながら、古本屋の、手仕舞いの仕方について考える。

 

わたしはやはり、何も残さずに去りたいと思う。いた痕跡すら残さないように。なにも。

なにも、いらない、と思う。

古本屋の日記 2011年12月9日