怖いもの見たさ、というのは今も昔も変わりません。ホラー映画なんてなかった時代にはリアルに、処刑の光景を絵葉書にパッケージして、商品として、大陸土産として、売られていたのです。百年前、にもならない昔話の中ではまだまだ人間は残酷です。正しく清潔な現代人は目を背けるかもしれませんが、そうであるかもしれない者の近しい子孫として、ちらりと、頭の隅に記憶しておくのもよいかもしれません。いい子ぶったって、お里が知れてるよ。ただしこぶりっこの皆様、無罪の人は、まだこの世界には生まれておりません。
(支那官憲ノ馬賊銃殺。奉天城外執刑。とあるもの以外詳細は不明。一枚は、海辺の、溺死体のようですが?)
※象々ではこの絵葉書内の処刑が何国人によるものであるかを特定することはありません。それは、各国の識者の研究におまかせいたします。
生まれ損なった無罪者の幻影、
あるいは、
ひるめしの、ちりめんじゃこの中に紛れていたタツノオトシゴ。