「ぶんなぐるですって。それじゃ、わしを追っぱらうわけじゃないんですな。さあ、ぶんなぐってくだせえ!ぶんなぐられりゃ、それだけ因縁がふかくなるってもんでさあ……」(新潮文庫「白痴」木村浩:訳 上巻カバー欠。書き込みあり、よりーー小役人レーベジェフの言葉)
二十数年ぶりに、ドストエフスキーの「白痴」を読み始める。去年、新訳で「カラマーゾフ」を読み直してみて非常におもしろかったので、これから年に一作づつドッちゃんを読み直してゆこうと決めたのですが、なかなか、読み始めるのに時間がかかりました。もう秋ですから、そろそろ始めねばーー。
今年は、ボロい本ですが、阿呆のムイシュキン公爵としばしおつき合いしてみようと、ようやく、昨日、ページを捲り始めました。とくにドッちゃんについて何か語ってみようとか、そういうことではありませんよ。ほとんど、なにも知りませんから。冒頭部分を読みながら考えていた事は、日本の名前にも飽きてきたことだし、冬が来る前にロシア的な名前を自分につけてみようと云う事。どんなにめちゃくちゃで破滅的な事がおきても、自分がロシアの大地に育ったのだと考えれば大丈夫なような気がしますので。
ジュミートリー・ゾウドロヴィッチ・ナカーシカ。うむ。愛称はジューチャ、あるいは、ジューチカ。
ジュコライ・ゾウフェノヴィチ・ナカリーシチェフ、愛称は、さて、なんだろか?
スイスから無一文で帰ってくる公爵によりそって、ペテルブルグ・ワルシャワ鉄道の三等車から物語は始まりますがね、僕の、ロシア名前を君に教えても、しょうがないだろうけどね。