気がつくといつも枕元にその本があって。
ではそれを全編繰り返し読むのかというとそうではなく、ただその中の一片の詩をふと思い出した時に読み返してみるためだけに、繰り返し失われるその本を何度も買い直しているのです。
ただ自分に親しい言葉だけを繰り返し読んでいたいと思っているのかもしれないそういえば、最近、同じことばかり繰り返し話しているような気がするそうだ、本当は話したいことなど何もないのにさも何かがあるように話し続けている本当はもう大概のことは知っていてそれはごく短い言葉で言い表せることなのにそれをなぜだか言いあぐねたまま繰り返し失われる本をまた新しく買い直して読み続けているだけなのかもしれません。
その、知っている短い言葉はなんだろう。
なんか怖いので、思い出すのをやめよう。