象々の素敵な日記 古本屋の日記

象々の素敵な日記

バナナのうた。

どんなに暑くともあまりその暑さを話題にはしたくないのですが、さすがに今年の暑さは、どうにもこうにも暑さのことしか話題に出来ないくらいに暑い。二日酔いも手伝って、食欲なし。それでも二時を過ぎると生存の為に何か食べなくてはとチャリで出撃、開いているのか閉まっているのかわからないボロ食堂に入り、ずくずくの、あんかけうどん。この店は初めてだが、忙しく働くおばちゃんを尻目に、やっぱり、おっちゃんがぼーつと虚空を見つめている。世の、夫婦二人で経営する食堂のおっちゃんはぼけっと何か別の世界を眺めている人が多いような気がするが、ま、これも暑さのせいかと今日は異界を無視。ビールでなんとかうどんを流し込み、大仕事をやり遂げたような気分でお勘定。お札をおっちゃんに渡すと、おつりと一緒バナナを二本、兄ちゃん、もっと食べなああかんわ、と、深刻な表情で僕に手渡す。夜、食べや。大丈夫やから。

古本屋の日記 2011年8月12日