象々の素敵な日記 古本屋の日記

象々の素敵な日記

阿部良雄個人訳のボードレール全集。

二月。

豊書会。

前から欲しかった阿部良雄個人訳のボードレール全集が出品されていましたので上札を売値近くまで入れてなんとか中札にて落札。正直、新刊で出ていたらピカピカのそっちを買うで、というくらいの金額でしたが、すぐ下まで突き上げの札が入っておりましたので(これは、個人蔵書のつもりなのでよいのですが…)古本屋はやっぱりあんまり儲からん商売ちゃうかなーと肝が冷え冷えいたしました。

 

せっかくですからその中から素晴らしい詩を一編、といきたいところですが…。

今日は昨日の谷町古本市で買ったアンドレ・ブルトンの「狂気の愛」の中から、有名な「向日葵」の最後の数行、ではなく、

はじめから三行目のこんな詩句。

 

空には絶望がかぎりなく美しいその大きなまむし草を転がせていた 笹本孝訳

 

それと、小保ちゃんの「あの日」から一番印象に残った笹井先生との初めての出会いの場面。

 

……重たいドアを開けると、逆光が射す窓際に一人の先生が立っていた。

「はじめまして。笹井です。あなたの希望の研究をするために、とにかく今の論文を終わらせましょう」

 

……。

斜め読み飛ばし読みで日々は過ぎて行きます。

古本屋の日記 2016年2月1日