象々の素敵な日記 古本屋の日記

象々の素敵な日記

古本屋の午睡

暑さを避けて昼でも薄暗い部屋の中でうつらうつらエアコンは控えめですがうつらうつら眠る。今年は蝉の声が少ないと誰かが云っていたなー眩しい光の中を歩いている人は全て幻に思える。夢の中で古本を数える。いっさーつ、にさーつ、さんさーつ。ごじゅうえーん、ろくじゅうえーん、はちじゅうえーん。熱く焼けたアスファルトの上にテーブルを置いてそこでお客さんを待つ。どこまでも明るく真っすぐな道なのにそこだけうっすらと影のように暗い。蝉の声が聞こえそうで聞こえない本を数える声が間延びして聞こえる。誰の声だろうか?本なんて一冊もないのに。
古本屋の日記 2011年7月25日