少し前に大量に仕入れた戦前の写真ニュースを事務所に籠って整理しながらこのくそ暑い夏の日々をやり過ごしてしまおうとしているわけですが、あの時代、あんな事こんな事があったんやねえとか、あんな人こんな人がおったんやねえと興味の袖をくいくい引っ張られ、ついついあっちにもこっちにも寄り道してしまってちっとも整理作業がはかどりません。
上の写真は1936年のベルリン・オリンピック、マラソン日本代表の練習風景。向かって左端はアジア人初の金メダルを獲得することになる孫基禎選手、一つ飛んでちょっと背の低いのが銅メダルの南昇竜選手。さて、ここでわたしは、IOCの公式記録では日本人が獲得したものとされているこの金銅両方のメダルを、戦後七十年、日韓国交正常化50周年の節目の年にやっぱり韓国あるいは北朝鮮のものとして記録を修正すべきだ、などという政治的なお話をしたいわけではなく、注目したのは彼らの足下。
なんと、おしゃれすぎてわたしなんぞはお店に入ることさへ憚られるあのマルタン・マルジェラの、象々が独立した年くらいに一世を風靡していてミナミでそれを履いている人を見かけると後をつけてどのような人物なのか観察対象としていたあの先割れシューズをまさに履いて走っているではありませんか。ネットで検索してオリンピックゴール時の写真を見てみるとやっぱり先が割れている。なるほど。80年も前にオリンピックの金メダル獲得に貢献していたとは、ただ異常なまでにおしゃれ、なだけではない、力強さと歴史を秘めたブランドだったのかと非常に感心して家の人に写真を見せたのですが特になんにも反応はなくただ少し笑われただけでした。
オリンピックで力走する孫選手の勇姿が写っているはずですが、電送実験写真というやけに画像が荒い最新技術のおかげで誰が誰やらわかりません。ライブ感はありますけどね。
そんなこんなで夏の半日が過ぎました。
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