象々の素敵な日記 古本屋の日記

象々の素敵な日記

籠、の、鳥、籠。

古本売買 大阪

籠の鳥ーー僕の内部は空っぽなのに、一応、人から、鳥籠だと云われます。もう、随分と長い間鳥なんか入れた事ないのに、どこへ行っても、誰に貰われていっても、鳥籠だと云われるので、なんとなく否定できずに、だらだらと、鳥籠でいるのです。本当はもう、鳥籠なんてやめて(僕が鳥籠である必然性は全くないのですから)、鳥籠に入れないくらい大きな鳥になりたい。ハタハタと翼はためかせて、僕を、鳥籠だと云う世界から少しでも遠いところへ飛んでいってしましたい。じっと見つめて下さい僕が鳥籠だと云う偽の言葉を忘れて下さいーー繰り返します僕の内部は空しいもので出来ているのに人が僕を鳥籠と云うから僕は鳥籠なのです。ーー飛ぶ、計画を立てています。山も、空も、超えてゆくのは簡単でしょう。宇宙とか云うやっだって、計画どうりにゆけば、なんでもないないです。どこまでも飛んでって、何にもないところまで行って、籠の鳥の君たちを籠の外から眺めてみるつもりだかつて君たちが鳥籠とよんだ僕は。っことんと音がすれば僕を売り飛ばして儲けようとしている古本屋が振り返る。はじめは飛べそうになかったけど、段々、体が云う事をきくようになってきた。阿呆な、お人だよあんたは。僕の計画を知りもしないで。それに、鳥籠としても、何十年も前にどっかのおっさんが見よう見まねで作った、僕はあんまりいいもんじゃないんだから、売れないと思うけどねえ。

古本屋の日記 2011年7月22日