古書会館に昨日の市場の落札品を取りに行こうかと思いながら、雨の様子を窺う。
耳を澄まして、雨の音と人の歩く気配を、聞く。車の音は、勝手に聞こえてくる。
今日は、外に出るのはやめよう。買取の電話もなさそうだし、濡れるの、いやだし。
誰が置いたか、薬師丸ひろ子のLP。
回りもしないのに細くてあぶなっかしい声が聞こえてくる。
夢で叫んだように
唇は動くけれど
言葉は風になる
好きよ でもね たぶん
きっと
透明な水の底
硝子の欠片がひかる
だから気をつけてね
好きよ でもね たぶん
きっと
(作詞:松本隆 作曲:大滝詠一)
よい歌詞、よい曲、よい不安定な声、よい不安定な容姿(かわいいような、かわいくないような)、不思議な出来映え。なにか、新しい発見をしたような感じ(といってもハライソというバーで、何回も味わったかもしれませんが)。今日は、このまま、何もしないでおきましょうかね。