象々の素敵な日記 古本屋の日記

象々の素敵な日記

よぎ氏の肖像。

快晴。よぎ氏を連れて、ずいぶん前から紹介しようと思っていた、南森町の素敵な絵本屋さんキンダーブック林林。久しぶりに、とめどなく溢れ出る初期のアニメーションやホラー映画や製本やポップアップ絵本や少しだけマシンガンと金髪美人のことなど、止めてもなかなか止まらないその話の洪水にしばしりんりんと共に耳を傾ける、というよりも身を預ける。いつもながらよぎ氏の映画や書物に対する集中力と知識の広さには感心いたします。もちろんその知識の深さにも……。今日の出会いが、何か面白い方に発展すればと思いますが、どうでしょうか……?

 

よぎ氏の、ほぼ独学によって獲得した映画や書物に関する知識の深さは、そのままよぎ氏の人生の孤独の深さのようにも思われますが、それは、わたしのような俗人の浅はかな考え違いにすぎないでしょう。何事に関わらず、自分の外部のモノに熱中し賛美する能力に長けた人は、そのモノによって孤独から救われているに違いありません。孤独を感じる隙もなく映画に向かい、孤独な視線に気づく間もなく本のページをめくる、常に熱中すること、後ろを振り向かないこと……、自分が誰であるかと云うことより、自分が今何を読んでいるか(観ているか)ということにのみ心奪われること……。

 

古本屋の日記 2014年5月16日