御堂筋のビームスの前に車を止めて曇り空を眺める。冬枯れの銀杏並木。南向き灰色の空に飛行機は飛んでおりません。
青になると人は横断歩道を渡り、赤になるととまる。世界中の信号を渡る人、止まる人を、一時に同時に、見る。
古い古い天使のイメージでは背中に羽などはえていず、上と下をバベルの塔についているような煉瓦の階段で登り降りしていたようです。ふわふわ宙を飛んでいる天使よりも階段を一生懸命登り降りしている天使のほうが好感が持てるような気がします、が、聖母マリアへの受胎告知の場面で(ぜひともフラ・アンジェリコのそれを思い浮かべて欲しいのですが…)背中に羽が生えていない天使なんぞもひとつ神秘性に欠け絵にはならんなあとも思うわけです。天使に羽があるのは、あるいはそんな絵画的な都合によるものかもしれないのかもしれません。