象々の素敵な日記 古本屋の日記

象々の素敵な日記

怪談ではありません。

朝、病院通いの車の中で父が「昨日の夜廊下でガサガサやったり扉ばたんばたんやったりしとったやろ」というので「いいややってへんで」と答えると「そうかぁ。ほんなら他になんかおってんな」

 

わたしは眠っていたのでまったく気づきませんでしたし、それは父の夢であったと思えますが、あるいは、ほんとうに、父の夢からはみ出した何ものかが寒い星田の夜に`いた`のかもしれません。それで、他のなんかとはなんかなあと頭に思い浮かべようとして、諸星先生の漫画(妖怪ハンターシリーズ)をふと思い出しましやめました。。うっかり、それに、言葉を与えたら、それはその言葉のモノとなる。それを名指せば、それはこの世のものとなる。だからそれはそれとして、そんなモノの気配として、そっとしておこうとハンドルを右に切って、父の話を聞き流したのです。

 

がざごそがそごそ。どんどんどんどん。

 

……。

古本屋の日記 2014年12月17日