きょう、傷ついた腹膜のような
生涯の途中
生きるのにあてなく
けれどもなお、
けれどもなお、
われらを生かしめる者は
何所をさまよっているか
(稲川方人「われらを生かしめるものはどこか」 1986 思潮社)
***色々考えた末に、やはり、象々も、インターネットというものの中(?)に、なにか、古本屋として生きるための、なにかを、持とうと思うに至ったわけです。幸いにも、親切な女の子が身近にいて、このパソコンの中と云うか、何処と云うか、そこに、いやここに、象々のための小さな世界を開拓してくれたので、今、様子を窺いながら、慣れない手つきで、キーボードを叩いているのです。ここが開かれた場所なのか、それとも閉ざされた場所なのか、わかりません。いまのところ、ぐるりと周りを見回しても、ただぼんやりとした白い空間に何だか変な色の象が一匹、どこか、所在なさげに佇んでいるのが見えるだけで、あなたの姿はどこにも見えません。