久しぶりにゆっくり昼寝する。やるべきことをあれこれ考えながらうとうと微睡みに引き込まれてゆき、どことも知れないぼんやりした空間に着地する。白い埃が舞い上がり、見渡す限りの地面に打ち捨てられた茶色い古本が姿を現す。これが全部わたしの本だなと妙に納得し、なぜかしら勇気のようなものを奮い起こして埃に霞んだ空?を見上げる。なんとかしてあそこまで登らなくてはならない。本の上に本を重ねて、タイトルもない茶色い本を少しずつずらし螺旋状に積み上げ、自ら登ってゆく。「確かに登っているのに、いつまでも地面の本を拾いつづけることができるのはなぜだろう?」「わたしのバベルはなぜ崩れないのだろう」……。見下ろすと乳白に霞んで何も見えない。見上げても同じで何も見えない。
古本の夢を見る。
古本屋の日記 2013年11月14日