象々の素敵な日記 古本屋の日記

象々の素敵な日記

秋の空。

何も無い空間でカタンと音がなったのでなにか起こるかと思ってじっと目をこらしていたのですが幾ら待ってもなにも起こりませんでした。ガッカリしてそこらの石ころを池に放り投げたらじゃぼんと変な音がするだけで不思議なことに水面はゆらとも揺れませんでした。見上げれば秋の澄んだ空に雲が浮かんで、遠い日の光を反射して金色に輝き美しいわけですが、じゃぼんと云う音が耳の底に残って、わたしは妙に悲しいだけでした。

 

何か起こったかもしれないけど何も起こらないのと同じ秋の空。

古本屋の日記 2013年11月12日