今まさに東方の海の果て蓬莱の入江に船が入ろうとしています。船上、非常に小さく描かれた人物は、神山の霊薬を持ち帰ると始皇帝をたばかり船出した徐福その人でありましょう。蓬莱山は富士(不死)山だと云う説もありますが、だとすると徐福が辿り着いたのは遥かな仙界ではなく、この日本であったということになります。ー徐福得平原廣澤,止王不來ー不老不死の霊薬があったのかなかったのかは定かではありませんが、徐福はその土地の王となり、二度と戻ることはなかったということです。
(鳳堂画 蓬莱瑞色神郷之図)
……諸星先生の作品にも、確かそのような話があったなあと思いながら、秋の夜長に東方を夢見熱燗をちびちびと楽しみのために昨日の市場で買ったのですが、ボロ家の壁面にこの立派な双幅をならべてかけるスペースが無く残念に思っている次第です。