象々の素敵な日記 古本屋の日記

象々の素敵な日記

金が

朝、用事があって厚生書店へ。本屋が本屋に入ったら必ずなにか一冊は買わなくてはならない、という鉄の掟に従い石井光太著絶対貧困世界リアル貧困学講義と柳宗悦著民芸四十年を購入す。一日1ドル以下で生活する世界の貧しき人々からすれば無名の日常雑器になんかしらんけど美なるものを見出す柳氏のウイットにとんだエッセイなどとても理解できるものではないでしょうが、商売柄そのような感性のパンの耳くらいは持ち合わせていないとあかんな、とも思います、が、上品な趣味人のことなど考えながら心斎橋の人ごみをゆらゆら散歩しているとなんだかだんだん腹立たしい気持ちになってきて、お金は、と、龍の名のつく物書きが昔語っていたことを思い出し、お金は人を幸福にはしないがある種の不幸を回避することができる、とかなんとかあまっちょろい言葉うろ憶えですが頭を巡り。……。っ。そんなことはねえだろう金が

古本屋の日記 2013年5月26日