名古屋市立美術館さまより、開館二十五周年記念 上村松園展(2013年4月20日〜6月2日まで)の図録をお送りいただく。ちょっとした経緯がありこの図録の片隅に名前を載せていただいているので、テレビのニュース映像の隅っこに映った田舎の少年の気持がいたします。特になにか研究の役に立った訳ではないと思いますが、親切な学芸員さまが古本屋のミーハーな性根を察してご配慮下さったものと思われます。ありがとうございます。少し遠いので観に行くことは出来ないかもしれませんが、頂いた図録からも、これまでにない素晴らしい上村松園展であることが察せられます。特に78、79pの六道珍皇寺蔵の「多から舩」と、それに関する171、172pの論考は必見必読でございます。……。普段、古ぼけた本の山と居酒屋しか縁のない暮らしですが、こうして、時折、どこかもっと広い世界と繋がっていることもあるのだと感じる出来事があると、このヤサグレた商売もそう悪い物ではないと思えたりするのです。
上村松園の多から舩。
古本屋の日記 2013年5月11日