象々の素敵な日記 古本屋の日記

象々の素敵な日記

藁の楯

三池崇史監督の藁の楯を観る。ポップコーンを頬張りながら二時間それほど退屈せずに過ごせますが、観終わったあとの感想はなかなかに凡庸な映画である、という生意気なものであります。松嶋菜々子が殺されるあたりからブラピのセブンのような構図になりこれをどう捌き切るかと云う期待感を持ちましたが、とどのつまり仁の人大沢たかおは最後まで崩れることなく神のごとき正義を貫き通して終わる訳で、変態ロリコン殺人犯役の藤原竜也の演技もなかなかの熱演に見えますが、まあなんと云いますか予定調和的な変態ロリコン犯でありいつか何所かで見たような藤原竜也を越えるものではありません。などとすでに批判的な物事を考えながらエンドロールをみているわけですが、そこでなぜだか氷室京介のあまり映画とはそぐわない感じのロック?が流れ、じっと出演者やスタッフの名前を観ながら聞いていたのですが、なるほど、これは、最後の最後はなかなかに非凡であると思った次第です。それほど好きなのか?他に何か理由があるのか?と観客を考え込ませるその曲名は「NORTH OF EDEN」でございます。

古本屋の日記 2013年4月29日