象々の素敵な日記 古本屋の日記

象々の素敵な日記

娼妓契約証その他の紙々

古典会。本戦の和本刷物などは相変わらず勉強勉強といい訳して声が出ず、見学。その合間にぽろりとこぼれる函モノに声を出す。幕末明治頃の虫食いだらけの紙々が詰め込まれた段ボール2函落札。ほとんどのモノは函に入れたまま、紙の天国へと昇天していただきましたが、日露戦争の記念絵葉書、娼妓契約証、明治の封書の束などを家に持ち帰る。

娼妓契約証

明治43年某日。捨吉っつぁんの娘ハルちゃんは金二百五十円の借金のカタに、どこぞの遊郭へ働きに出されたようです。親の借金を背負って苦界に沈む、なんて事がほんとうにあったんだなあということを、当時の公正証書によって実感するというのも、なんだか不思議な気がします。まあ、ちゃんとした?、娼妓の証し、ということなのでしょうが……。

 

ちなみに写真にかすかに写る掛け軸には、象山の見事な漢詩が書かれておりますが……まあ、佐久間くんのものだと思って買った訳ではありませんが……。

古本屋の日記 2013年3月22日