日向を選んで歩いているつもりがいつのまにか鬱蒼とした樹木に遮られ日のまったく射し込まないくらい暗い森に迷い込んでしまうそんな数日或は数年、の発端なのか、眠る前の悪夢、昨夜、ベットの上に得体の知れない黒くて丸くて少し軟らかな物体を発見する。何によってこの世に現れたのか記憶の襞にずっと隠れ潜んでいたか名指すことの憚られる、その禍々しきモノと一夜を過ごし、今日は一日その影響下、なにをやってもマイナスへマイナスへとずり落ちてゆく、ズルズル。胸から心がだらだらと外へ垂れ下がり歩くたびズルリズルリ。
黒くて丸いモノを見つける。
古本屋の日記 2013年3月8日