象々の素敵な日記 古本屋の日記

象々の素敵な日記

ちちんぷいぷいー遭難。

そんなに飲み過ぎではないと思うのですが、どことなく身体がだるい。しじみと、お酒が、中途半端に身体の中で折り合いをつけて、こいつにはこんな気怠さがちょうどであると、肝臓辺りで話し合いがまとまった感じ。ぼんやりと、ちちんぷいぷいを見るともなく聞くともなく……ふと、突然に、わたしには生きる目的がまったくないことに気づく。ふん。そうか。なんかありそうなフリして実は豆腐のようにのっぺらぼうな心がここにおるわけやな。どうりで、湯豆腐が好きなわけや。熱燗でな、キューッとやって、ポン酢に柚子胡椒をちょっとまぜて、ほんで、「わたしには生きる目的なんてまったくございません」と自分で声に出して、それをまるで他人の声を聞くように自分の耳で聞いて、その、白いものの意味を考えてみるけどそら意味なんかあらへんね。意味も目的もなく湯豆腐のこと考えながらちちんぷいぷいを見るともなく聞くともなくしているわたしがわたしは恐ろしい。「わしはお前が恐ろしい」。どんな顔しとんねん。どんな姿形。おまえは今一体どこにおんねん。

古本屋の日記 2013年1月17日