象々の素敵な日記 古本屋の日記

象々の素敵な日記

竹久夢二の地味な仕事。

豊書会。中国関係の、見るからに高価そうな書籍にまぎれてちらほら出品されていた大正末から昭和のはじめにかけての雑誌数点に入札する。張り切り過ぎたのか、ひとりアルプス一万尺。踊れ、踊れ。とは言うものの、落札した汚い雑誌を家に持ち帰りぱらぱらめくっていると、市場ではぜんぜん気づかなかった発見もあり(なんで買うとんねん!)、儲からんものはそのままに、あとは、見て読んで楽しむべしという絶対に損をしない法則を、思い出す。

竹久夢二

山はあるいて来ないでせう。

わたしも歩いてゆけません。

あなたも歩いて来ますまい。

いつながめても山は山です。

竹久夢二 山

全関西婦人連合会という雑誌?の、昭和2年4月号に掲載されている夢二の四行詩と挿絵です。この他にも、10冊程買ったこの雑誌に夢二の挿絵や詩が掲載されているのを見て、小遣い稼ぎでしょうか?割と地味なとこで仕事しとんなあと、古本屋は、ストーブにあたりながら、ちょっと和んだりしているわけです。

古本屋の日記 2012年12月3日