これは、暗い話ではない。
今気づいたのですが、昨日、どこかに、数万円分の切手を、置き忘れてしまいました。本を発送するのに使おうと、安く売りに出たのを纏めて買っていたのですが、得する前に、全部パーです。郵便局に行って、それからマクドでビックマックとチーズバーガー、ポテトL、それからええと、と、悩んでいる時には、すでに、数万円分の切手から遠ざかりつつあったのでしょうが、あの時、わたしは、幸せだった。この、後から思えばすでに不幸な状態にある幸福、とは、まま、よくあることなのですが、はたして、一体何なんでしょう?何か、警報装置はないのでしょうか?いま私は幸福であるが、どうも、空の色が不吉にずず黒い、あるいは、こんなに楽しいデイトなのに、どうも、変な獣の匂いがする、そして、それを認識しているのはどうやら自分だけである、など、お前は今幸せに浸っているがほんとうは不幸の中にいる、あるいは不幸に向かいつつある、という明瞭で判りやすいお知らせ機能があってもいいんじゃないか、ええ、神さんよお。ドラマや映画ではそれらしい予兆にあふれた雰囲気で演出されているが、あんなのは、嘘だ、後出しのじゃん拳だ、実人生では、まったく、なんの予感もなく突然に不幸に見舞われる、というより、不幸が進行しつつあるのに、それを察知するには人間はあまりにも鈍感で、能天気なのだ。ビックマックとそれから、なんて、飲み物はコーラかコーヒーかで迷っているあの時の自分を、わたしは、断罪する。そうして、すっぱりと、私の記憶から排除する。彼は、わたしではなかったのだ。郵便局でゆうパックを二件送った彼、そのあと、振込を確認した彼、確かあっちの方に佐世保バーガーがあったんじゃないかなと探しにいって見つけられなかった彼、マクドで阿呆づらの彼、数万円分の切手を忘れているのに気づきもしない彼、かわいそうで、涙が出てきた、彼。馬鹿な奴だ。わたしは、そんなヘマはしない。慎重に、事を運んで、うまい具合いに、いっている。LIFEとつぶやいてみる。スーパーのことじゃないよ。マイライフ。すばらしい。わたしはとても幸福だ。
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