ひと粒の ちいさな種が 芽を出しました。
少しだけ のぞいてみてください。
1本の木が いつか森になりますように。
世界中の、
町外れの古びたビルに、
じっと誰かが訪れるのを待っている本屋があることを、
忘れないでおこう。
なにか胸が苦しい時など、
思い出せそうで思い出せない時など、
素敵な贈り物を探している時など、
ぎこぎこ自転車に乗って、
真っ白い書物のページに自分を映すことのできる、、
静かな場所があることを、
それがとても大切な場所であることを、
忘れないでおこう。
……。
新しい本屋さんが出来るたびに、少しセンチな気分になるのです。じっと、眠るように座っている本屋の主人が見る夢は、やはりじっと、夢見るように座っている別の本屋の主人の夢なのです。