もともと(チェーン展開している)カレーの専門店やったお店がなんでか餃子の看板を高々と掲げたんで興味が湧いて入ってみるとそこではもう人生の盛りを過ぎた3人のオッサンが輪になって顔寄せ合って餃子の調理法だの餃子の保存法だのを客の目や耳をまったく気にする事なく話し合っている。ほんま、ちゃんとわかっとんかいなと思いながらビールだけはやたらとキンキンに冷えとんな偉いやんおっさん。せや、なんか愛嬌ある思たらあんたら諸星せんせの「栞と紙魚子」シリーズに出てくる帽子の兄弟に似てるなあ、どっかにあと4人ほど隠れてるんちゃうかなとあたりを見回すもまあそれはないでな、あれは漫画やし。玄さん後から来るんで餃子2人前、といっても食券。たどたどしくジュワーと焼いて、出て来た餃子は不味くもなく上手くもなく、出せばだしたで又なんか気になる事があんのか帽子兄弟の話し合い。わし、こんなチェーン店やのに、ちゃんと餃子教育を受けてないようなおっちゃんら見たことないで、っていうか、なんか覇気ないし。辛いし。俺が云うのもなんやけど、まあ、それはそれで味かもしれんけど、な、ほんま、世間はそんな甘いもんちゃうでと、自分の商売あかんのとりあえず脇に置いといて、内心冷や冷やして、とりあえず、餃子とカレーとうどん一種類しかないのはなんやどれも中途半端で長ご続くようには思われへんけどな。まあ、釈迦牟尼仏陀がなんと云うかは知らんけどな。
「うまくでもまずくてもだいたいおんなじ」