象々の素敵な日記 古本屋の日記

象々の素敵な日記

憐れみの視線に耐える。

耳ある者どもに甘露(不死)の門は開かれた。

(おのが)信仰を捨てよ。

梵天よ。人々を害するであろうかと思って、

わたしはいみじくも絶妙なる真理を人々には説かなかっのだ

(中村元 訳 ブッダ 悪魔との対話 岩波書店刊)

 

東野圭吾読了後、勢い余って側に転がっていた「ブッダ 悪魔との対話 サンユッタ・ニカーヤⅡ」を読み始める。読んだからといって、なにか、深ーい話をしようと云うわけではございません。ただ、ときおり、<幸せな人>の語る言葉がなんだかやけに上から目線なのが鼻につくなあということを書いて、<生存の素因>を滅ぼす事が出来ず、モノに対する欲望と人に対する悪口雑言でずぶずぶなわたしが、かの人に対座するためのポジションを確保しようと思うわけです。そこに座って、何を云うかは、これから考えますが、かの人の憐れみの視線を浴びながら、ゴーティカのように完全に消え失せたりせず、とりあえずずぶずぶのままどんだけ平気でいられるかが問題です。

 

「悟っても悟らなくてもだいたいおんなじ。」

古本屋の日記 2012年8月17日