象々の素敵な日記 古本屋の日記

象々の素敵な日記

調べごとをする人。

どうも、なんだか、空回りしているような毎日でございます。エアコンの効いた部屋で、特になにをするでもなく、いつも通り大げさに世界とか宇宙とかをぼんやりと考えウトウトしておりますと、一日は、まるでなかったかのように、過ぎてゆくのであります。チョー巨大なものの視点から見れば人間のやる事なんてあってもなくても同じだからね。そうであることとそうでないことはほとんど同じだからね。なにも、やる気がせんのよね。……。とはいうものの、この、目の前に広がる社会の一員としてわりと大丈夫な感じで存在するためには……、これではいけません。なにか、してる感じにしなければ。ちょうど調べたいと思う事がいくつかあったのでチャリを走らせ久々に茶屋町あたりのチョー大型書店まで遠征。どうだ、調べごとがあって本屋へ行く人になったぞ。途中中崎町でビール休憩をとりそうになるも早い時間からビールを飲む人になってはいけないと思い我慢我慢。よし、真面目な感じで調べごとといってもほんとうはうすうすわかっている事なのであまり力が入らず、キラキラと輝く、膨大な量の新刊書をぶらりぶらりと眺めながら芸術だの文学だのなんかものすごそうな専門書だのよくもまあこんなに沢山あるものだなあと感心しながらまたぞろ大きく宇宙だの世界だのをぼんやりと思い浮かべてみると、はたと、気づきました。やっぱり、こんなに仰山本いらんで。まあ、奇麗な本ようさん並んどったら興奮するけど、そら、読んだらなんか勉強になった気ィするけど、よう考えたらどれもあんまりはっきりしたこと書いてないし、知っても、結局知らんのと大して変らんし。知った顔してる奴キモイし。そもそも、最初から知ってる事だけ知っとったらだいたいいけるはずやし。目の前にあるもんのこと知らんはずはないし。でもやっぱり心配やし、せやったらここの本全部読まなあかんし、全部やなかったら、一冊も読まんのと一緒やし、それに、ここ、ビール飲ないし。

古本屋の日記 2012年8月11日