酔わないで地面を歩く事にまだ少し慣れませんが、体調すこぶる良く、チャリで安堂寺橋の急坂を尻もあげずに登る事が出来るようになり、かといっていつもより沢山仕事をするわけではありませんがなんだか自分がすごく物静かで良識的な考えを持っている男になったような気がして、ぽろりと誰かに、社会的に非常に正しい事など云って優しく微笑んだりしてしまいそうになります。***さん、それはいけませんね、なんて、目の下に隈のないスッキリした顔つきで注意してその後ちょっと良い言葉を添えれば、さて、世界とかわたしとかは少しでも良い方向に向かうのでしょうかと考えて、自殺した少年のことなど思い浮かべやっぱりそんなことはありえんな、まともな脳味噌でやっぱり無情無関心な世界を相手にしても、ただマトモなだけで少しもそいつに対抗できない弱々しい自分を発見しまあそれでも日々平穏ならいいじゃないかとわたしがわたしを赦すようになったとしたら、アルコールによる大言と翌日の倦怠に嫌気がさして始めたこの素面こそ、実はとんでもないバット・トリップであるということではないでしょうか?
BAD
古本屋の日記 2012年7月12日