宮本隆司写真集　CARDBOARD HOUSES ｜ 2003年・BEARLIN ｜写真集・建築写真

都市の空白にひっそりと佇むダンボールハウス

建築物を中心に、都市の変貌・崩壊と再生の光景を独自の視点で捉える写真家、宮本隆司。

代表作には、建築解体現場を撮影した「建築の黙示録」や、香港の高層スラムを撮った「九龍城砦」など。

本書は、1983年から90年代に撮影されたホームレスのダンボールハウスの写真を収めた一冊。

古い建物が解体され、高層ビルが林立し都市が大きく変貌していった1980年代。

社会や家族からも距離を置き生きる人々が、ひっそりと隠れるように都市の構築物の隙間に確保する住空間は、ダンボール箱、板切れ、発泡スチロール、ブルーシート、傘などの廃棄物で作られている。

この儚げで弱々しい住居に現代都市の様々な問題が浮かび上がると同時に、政治や経済、社会効率とは全く無縁のこの住まいに人類の住居の原型を併せ見る。

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