神坂雪佳　琳派の継承・近代デザインの先駆者｜美術・図録

日本のモダン・アートのパイオニア、神坂雪佳

本書は、2003〜2004年に京都国立近代美術館、アメリカ・バーミングハム美術館、ロサンジェルス・カウンティ美術館にて開催された「神坂雪佳　ー琳派の継承・近代デザインの先駆者」展の展覧会図録です。

明治維新後の京都。

東京遷都によって大きな打撃を受け、美術界は危機的状況の只中、京都再興の一環として、いち早く西洋の先進技術・科学の導入に努め、明治13年に日本最初の美術学校として京都府画学校が設立され、絵画に於ける伝統継承と改良、工芸への寄与の動きが起こります。

様々な工芸学校や、陶磁器試験場などが京都で設立され、近代化も重視される中、京都近代美術界で、絵画・工芸の両分野に亘り活躍したのが、神坂雪佳(1866-1942)でした。

神坂雪佳は、四条派の流れを汲む日本画家鈴木瑞彦に師事し、図案家岸光景のもとで琳派研究を行い、画家・図案家として活動します。

その後、欧州各国の工芸図案の調査のため渡欧、帰国後は教鞭を取りながら、数多くの図案集や雑誌の編集に携わり、新しいデザインの普及に努めていきます。

日本のモダン・アート、デザインのパイオニアとして、今なお高い評価を受ける神坂雪佳の作品の数々を堪能頂ける一冊です。

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