象々の素敵な日記 古本屋の日記

象々の素敵な日記

象々こけし学校〜その4

わたしのインナースペースがあんまり晴れ渡っているので、今日のような雨模様の日でもわたしだけは濡れないのではないかと思って傘をささずに歩いてみたら、やっぱり、びしょびしょに濡れてしまいました。所詮は、人間なんだなあと、自分の身体を見回して、随分とがっかりして、それで、わたしの心に隙間ができて、そこから、雨が、降り始めたようです。短い人生の晴れ間よ、さようなら。こけし学校4回目、まだまだがっこは、続いてゆくのです。

 

こけしこけし

 

弥治郎系の工人佐藤辰雄(昭和3年〜平成21年)の作品です。身長15cmほど。細長いだるまのような形をしておりますが、べつに、それが、弥治郎系の特徴と云うわけではなさそうです。頭をぐるりと巻いた黒いロクロ線が、その特徴と云えば特徴なのでしょうか?遠刈田から分化して弥治郎部落で発達したこけしは、はじめはその粗末さから「弥治郎のガタ木地」といわれていたそうですが、その素朴な味わいを愛する人も多く、後に多くの名品を残したということです。まあ、せんせい、難しい事解りませんがね。彼女の顔立ちは随分洗練されているように思います……。なにか含みをもった、ちょっと蠱惑的な表情で、わたしの雨を見つめているのです。

古本屋の日記 2012年3月17日