象々の素敵な日記 古本屋の日記

象々の素敵な日記

まっすぐに、生きてはいけません。

その、古本のトークイベントに行く前の話なのですが、とあるイタ飯屋で、まあ、はじめて一緒に飲む長野のあがたの森さんの話なんかを聞きながらビールだのワインだのスパゲッティだのを飲んだり食ったりして、さて、だいぶ出来上がって来たのでそろそろお勘定をして会場へ向かおうか、という場面に戻ります。おごったるといいながら気持ちよく飲んでいた金主フルカワの変な鞄の中にはほんの少ししかお金が入っていないというよくある話。さて、気を使うあがたさんやモデルナくんがお金を出そうとするのでそれはいらん、と、わたしが得意のフルカワポケット検査をして払おうと(自分が払う気はさらさらないわけですな)するもうまく見つける事が出来ず、早く行きましょうよなんて急かすモデルナくんにあくまでも、フルカワが支払うまでは帰らねえと吠える。さて、本来なら、ここからが地獄会の真骨頂、〜きっとフルカワはどこかに金を隠しているのだからとしつこくポッ検。払えよといえば俺は知らねえとニヤニヤしながらフルカワは云うだろうね。払え、知らん、俺も知らん、知らん、じゃあどうすんねんということになって、とりあえず誰かにお金を持って来てもらおうという話になるだろうね。めんどくさいからモデルナくんやあがたくんがお金を払おうとするだろうけどそれはやっぱり筋違いであると、断固拒否。厚生君(お店の、釣り銭用のお金を借りるわけですな)かだれかに電話をして助けをもとめるだろうね。さて、じゃあ、持って来てもらうまでの間また時間があくので、おねえちゃん、悪いけどワインをもう一瓶と頼めば、ほんとうに払うのかどうか心配なお店の人はきっといやな顔をするだろうね。大丈夫。ちゃんとするから。と、根拠は無いけどだんだんいける感じになってきたフルカワがドンと太鼓判を押す。じゃあと、半信半疑ながらお店の人も、しぶしぶもう一本、赤、を開けたと思ったらやっぱり白がいいと云い出し結局二本。君らももっと飲めなんてモデちゃんあがちゃん状態になって結局イベントはどうなるのかなんて考えない考えないとなってきたところで厚生君登場。ご苦労ご苦労まあ一杯やってくれといってまたワインを一瓶二瓶とあけて結局全員ぐてんぐてんになって閉店まで飲み続けさてお勘定とみてみれば超高額の請求にまた払え払わぬで今度は大喧嘩になって結局やっぱりモデちゃんあがちゃんに払ってもらってついでにスパワールド代も払ってもらう、〜となるはずなのですが、まっすぐスマートに生きるモデルナくんがわたしの静止も聞かずさっさとお勘定を済ませてしまったので、イベントにも間に合い、厚生君に面倒をかける事も無く、お店の人に嫌な思いもさせず、すごく、きちんと、次のお店に移ったのです。が、曲がった事が大好きで、脇道は必ず通ってみなければ気が済まない象々としては、フルカワやモデルナくんやあがたさんと一緒に、蚯蚓の血液のように濃厚な時間、を過ごす事ができなかったことをとても残念に思うのです。

 

そういえば、フルカワのポッ検が一番うまかった前川はどうしてるかねえ。神のように、フルカワの所持金を見つける事が出来たのになあ。幸せに、暮らしているだろうか?

古本屋の日記 2012年2月8日