台風の接近に合わせてかどうかは判りませんが、我が友S氏来訪。鞄から、古い彩飾写本をバラして額装したものを取り出して、これ、預けとくーー。
14世紀頃のラテン語の祈祷書の1ページとのこと。両面手描きですが、裏?面は地味に黒一色。表?面は黒、青、赤、金泥の4色で彩色され、とてもとても美しゅうございます。圧巻は金泥を贅沢に使った「A」と「C」の飾り文字からするすると伸びるこれまた金泥彩色の、鈴蘭(と勝手に解釈している)の図案。思わず、「金プラ買」に持っていってしまいそうなくらい、たっぷりと金が使われております。
とはいっても、決して成金趣味的なキンキラではなく、十分に慎ましやかな、宗教的気品を備えた輝きです。うーん、五百年の時を越えてきても、少しも輝きを失わない本物の金は、やっぱりいいですねえ。(と、やはり、金にばかり気持ちが向かうのは何故か?)
サイズは清貧の聖者が持ちやすい18、7×12、9cmというハンディタイプ。パーチメント(羊皮紙)に描かれております。
この美しき文字の芸術を、
あなたの、祈りの夜の灯火として、いかがでしょうか?