ニールヤングのデッドマンを聴きながら渋滞の中央大通りをゆっくりと走っているこの軽自動車は波間に揺れる小舟粗末な花にかざられた柩ああ俺はどことも知れない場所へ流されて行く死体みたいやなあと夢見心地でふと脇を見ると小柄のプロレスラーのように頑丈なおっちゃんがランニングシャツ一枚に半ズボン姿で全力でチャリを漕ぎ新深江方面へ走り続けている。追いついたり、追い抜かれたりしながら見とれていると、危うく前の車に追突しそうになる。これは、幻ではない。寒くないやろか?目を覚ませ。
我に返って、
道は道、車は車、
おっちゃんはおっちゃん、
俺は俺。