象々の素敵な日記 古本屋の日記

象々の素敵な日記

今日の絵画。

須田国太郎

京都新聞社発行 須田国太郎画集より「発掘」

昭和五年の官展に落選した作品だということですが、私には荒涼とした土地に浮かぶ人と馬の影はとても好ましいように思われます。

ものに囲まれた生活をしているせいでしょうか?何もない荒野への憧れが強くあります。夢の中では、何も持たないことの不安と清々しさを同時に感じながら荒れた土地をどこまでも歩き続けてゆくのですが、そこから目覚めるといつでも、自分の持ち物が何も失われていないか、長い時間をかけて数え直しているのです。

古本屋の日記 2016年12月30日