象々の素敵な日記 古本屋の日記

象々の素敵な日記

葛西善蔵を買う。

山ちゃんが安くで谷町の古本即売会に出していた戦前の良い装丁の全集の端本を買い逃したので仕方なく青空文庫で葛西善蔵を読む。夜更けまで。そのせいかどうか、今日は朝からなかなか滅茶苦茶な事が起こって腹立たしいようなすまないようななさけないような物悲しいようなとにかく非常にしょぼくれた気持ちに取り付かれて日中を過ごし夕方になって堂島の大型書店までチャリを走らせ講談社文芸文庫の葛西善蔵を買う。やっぱり、紙の本の方が健康にいい、に違いない。

 

(何処からか、救いのお使者いがありそうなものだ。自分は大した贅沢な生活を望んで居るのではない、大した欲望を抱いて居るのではない、月に三十五円もあれば自分等家族五人が饑えずに暮して行けるのである。たったこれだけの金を器用に儲けれないという自分の低能も度し難いものだが、併したったこれだけの金だから何処からかひとりでに出て来てもよさそうな気がする)

 

わたしもずっと長い間全く同じような気持ちで暮らしている。そうだ。ときどきひどい事も起こるには違いないけれど、なんとか暮らせない事はない。というか、なる。出来るなら、もっと、何処かからひとりでに良い事がひょろろろろーと出てきてくれればよいのですが。

 

 

こんなわたしですが、

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古本屋の日記 2015年12月2日