象々の素敵な日記 古本屋の日記

象々の素敵な日記

古本屋を片付ける。

先輩のお店の片付け。

また一軒、街の古本屋が姿を消す。本が消えて、手作りの、複雑に増築された本棚がむき出しになる。この小さな本屋の帳場に座って一日商いをすれば家族を養う事が出来た、そんな時代が確かにあったに違いないのですが、今はこの本棚では人の暮らしを支える事ができなくなってしまったようです。耳を澄ませばなにか人の声のようなものが聞こえるような気がしますが、それが過ぎ去った日々の谺なのか失われた紙々のざわめきなのか定かではありません。

 

 

 

古本屋の日記 2015年9月29日