駐車場で前の車が停まったのでわたしもブレーキを踏んでどうするのかと待っているとなぜだかそのままバックしてきはってわたしの車にぶつからはった。がしゃん。
ああまた事故もろたなあと暗い気持ちやけれどまあ直してくれればそれでよし許しましょう。わたしは許すの得意です。雨が冷たいのが辛いだけ。
事故処理のため小用事諸々遅れに遅れ、某所へナビにしたがって向かおうとするもなぜだか細い路地に導かれにっちもさっちも動けなくなり、恐る恐るどっかの細道をバックバック、で、ぶつけたりせんやろな、と思う頭の片隅……
「僕には悪いことばかり起きる。まるでほんとうのことでないみたいに。もしこれが物語なら、これから先どうなってしまうのか、ここから作者の顔色を伺おうとしても何も見えない。もしこれが物語なら、ほら、本をひろげて読んでいるあなた、もう読むのをやめにしてその本を閉じてくださいませんか?僕は語りたくも語られたくもない。疲れているし、ただ眠りたい。早く表紙を閉じて下さいね。何にもなかったみたいに。本を閉じれば、どんな悪い物語も消えてなくなる」