そこはほんとうは一丁目だけれども、お店の名前は「TEA ROOM 2丁目」。路地裏の古びた洋館ーーからんからんと扉をあけると、テーブルに足を投げ出し眠っていたおじいさんが、迷惑そうにこちらを見る。窓際の丸テーブルに座って、ホットを頼む。一応、ぽこぽこと、サイフォン。からっぽの空間に、おいしそうな匂いが広がる。ぼけっと考え事。昨夜、酔っぱらって`も兄`と云い合いになった、
「自然とはなんぞや」について、と云うより、人の意見を聞かず自説をわめきちらす自分自身について。「ほんと、昨日のあんたはあきれるねえ」……ほんとうは黙っていたいのさ一丁目の二丁目に座っているわたしは昨日のわたしとうまく重なり合うことはない。
ずれ。
古本屋の日記 2014年9月18日