身体の中はイメージに満ちあふれている。古い光。古いネガ。わたしの中にある、記憶や、記憶でないもの。脳だけではなく、心臓や肝臓や血管、それを巡る血液、筋肉や身体を覆う皮膚、もちろん性器も、身体のあらゆる器官が夢を見、記憶にとどめた、あらゆる光の残像。
いまあるわたしも刻一刻とその身体の内側にあるイメージに変わりゆく。今であるものが光の残像として、今いるわたしの内側に、イメージの織物のように織り込まれてゆく。それを見るわたし、ですら刻一刻織り込まれてゆく。古い光の織物。
わたしは……今すでに半ば記憶としてあるにもかかわらず今ある、わたしは、あるいは記憶や夢の総体として、今ここにまぼろししているのかもしれない。
そんなことは、もうすでに、他にもっと良い表現で誰かがか語っているにちがいない。けれども、つたなくともわたしはわたしの言葉で、内側へと織り込まれてゆくそのイメージの織物を語ろうと、その外側に立とうと、