山を、買う。
****。レアアースが眠る山を買わないかと持ちかけられ、何処とも知れぬ密林へ。そこで幾つもの、模型みたいな山の断面を見せられ、好きなのを選べといわれる。地層の隙間にきらりと光る金属に目を凝らし、ひとつひとつ査定をしながら、とうとう、こんなものにまで手を出してしまったかと、自分を激しく呪う。本当の、山師じゃないか象々さん。目をこらせば凝らす程、それが何か判らなくなる。が、あせりを、相手に見透かされないようにポーカーフェイス。たんたんと、評価額を伝える。もう帰りたいと思いながら、もしかしたらえらい儲かるんじゃないかと思っている自分が、夢の中にいる。
古本屋の日記 2011年6月20日