象々の素敵な日記 古本屋の日記

象々の素敵な日記

影。

なんとなく、ぼんやりとした不安の影を感じながら、家の中で一日仕事。黙々とパソコンを叩いたりりウトウト昼寝をしたりして、ふと、空腹に思い某牛丼チェーンへ行き並盛りをたのんで、もぐもぐと、あんまり味なんか感じずに、三分の一ほど食べたところで長い髪の毛があることに気づき、ああ、自分の髪が落ちたかなとお人好しにも箸でつまみ取ろうとして、そういえばわたしはつるっ禿だったことに気づき、改めてその長い髪の毛を、まじまじと眺め、怒りはしませんがおばさんにその旨申告しこれは食べれませんからと、お代の二百数十円を返金してもらう。そして、よりいっそう不安の影を濃く深くして自転車にまたがり、あの髪の毛は誰のものでもないただ自分の中のぼんやりとした影がなにかわたしに告げようとして物質化したものにちがいないと、

古本屋の日記 2013年9月12日