象々の素敵な日記 古本屋の日記

象々の素敵な日記

蕎麦屋の新メニューを冷やでいただく。

お向かいのバーが一周年とのことで、手ぶらではなんなんで、南船場にワインを買いに行く。帰り道、久しぶりに幼稚園近くの蕎麦屋で一杯。ミナミの、変わりゆく街の風景からは取り残されたようなお店。ビールを頼むと必ず白菜とキュウリの糠づけがついてくる。端の先でちょこっとつまみながら、その日の新聞2紙と夕方のニュース番組を交互に観る。そういえば今まで聞いたことないけど、この店お酒あんの?と聞くと、あるで、ただのコップ酒やけど。おばちゃん、おれ、それが一番好きやねん。

 

暫く来んうちに、新しいメニュー。ここの鴨なんが好きやったんやけど。それの、蕎麦抜いた、鴨吸いなる新メニュー。冷や酒と、よう合います。お客がおらんようになって、しばらく、おばちゃんと、船場の街の今昔のはなしを、たらたらコップ酒やりながら聞いたりようも知らんのに云うたり。ボンと古い時計が一つ鳴る。薄暗い厨房では無口なおっちゃんがじっとテレビを観てる。

 

ほんで、ええかげんになって、夕暮れ過ぎの船場をふらーっと松屋町まで。こんな歌を口ずさみながら。

Well, show me the way

To the next whiskey bar

Oh, don’t ask why

Oh, don’t ask why

ドアーズ アラバマソングそばやの

古本屋の日記 2013年9月11日