象々の素敵な日記 古本屋の日記

象々の素敵な日記

本を拭く。

蝉の声がうるさくなるにつれ、買取依頼の電話の件数が減っているような気が致します。皆様、いかがお過ごしでしょうか?これはきっとわたしの日頃の生活態度が悪いからだと思い、ここ数日は、古本屋らしく本を整理し。古本屋らしくせっせと本を拭いて、とくに即売会があるとか、開かずの店を開けようとかいうわけではないのですが、古本屋らしいまじめな時間を過ごしております。無心に汚れた文庫本など拭きつづけふと気づけば夕暮れ。今日のわたしの真面目さを誰も知らないでしょうから、この信心深い祈りの時間を過ごしたことを書き記しておきます。拭いた本の山を棚に並べで自らに満足し今日はおしまい。昨日立ち飲み屋で隣に座っていたお兄さんにスヴィドリガイロフは何故自殺したのかと問われ、うろ覚えで何も答える事が出来ず解っているような感じでも他の話に夢中な感じでその場をはぐらかしてしまいましたので、今から必死に、二十数年ぶりに、「罪と罰」を読み返して見るつもりです。古本屋の安っぽい自尊心を守るのも、大変です。ではでは。ドストエフスキー全集、出よ!

古本屋の日記 2013年8月1日